【3分】日銀資産の「現金」とは?硬貨発行と別口預金の会計論

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日銀資産の「現金」=「硬貨」

日銀のバランスシートの資産の部には約4400億円の「現金」が計上されています。実はこれ、一万円札などの「紙幣(日銀券)」ではありません。政府が発行する500円玉などの「硬貨」のことです。 日本の法律では、紙幣は日銀が、硬貨は政府が発行権を持っています。日銀は民間からの引き出しに備え、政府から硬貨を受け取り、資産として保有しているのです。

政府は硬貨を作ってもすぐに使えない?(別口預金の謎)

ここからが会計の面白い部分です。政府が硬貨を日銀に渡すと、政府の日銀預金口座にお金が入ります。しかし、これは通常の預金ではなく「別口預金」という特殊な口座に入り、政府はこのお金を財政支出に使えません。 これは「財政法第5条(日銀による国債引き受け禁止)」の趣旨を守るためです。硬貨を作っただけで政府が自由にお金を使えてしまうと、実質的な「無利子永久債の日銀引き受け(財政ファイナンス)」と同じになり、財政規律が失われるとされているからです。

いつ「使えるお金」になるのか?

では、いつ政府の収益になるのでしょうか? 答えは、「私たちの需要に応じて民間銀行が日銀から硬貨を引き出した瞬間」です 。

  1. 私たち民間の家計や企業が銀行から硬貨を引き出したいと思う。
  2. 民間銀行が「硬貨が欲しい」と日銀に依頼する。
  3. 日銀は資産の「現金(硬貨)」を銀行に渡す。
  4. 同時に、その硬貨の分だけ、日銀内の「使えない別口預金」が取り崩され、同額が「使える政府預金」に振り替えられる

つまり、「硬貨が世の中に流通した分だけ、政府は通貨発行益として使える」という仕組みになっているのです 。

「松田プラン」への応用

この仕組みは、政府発行のデジタル通貨を論じる「松田プラン」の理解にも役立ちます。松田プランは、この「別口預金」のスキームを利用し、「デジタル円が民間によって銀行預金の代わりとして引き出された分だけ、政府の別口預金が使えるようになり、そのお金で日銀保有の国債を償還(消滅)させる」という構想と解釈できます 。 一見難解な政府通貨議論も、現在の「硬貨の会計処理」を知れば、実務的な裏付けが見えてきます。


こちらの記事はAIを活用して、以下の記事を要約したものです。図解など、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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