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財政法4条とは?なぜ批判されるのか
財政法4条は、国の歳出を原則として「税収」で賄うことを定め、国債(借金)発行を原則禁止しています。これに対し、積極財政派(右派)は「不況でも財政出動できない諸悪の根源であり、日本弱体化を狙ったGHQの陰謀だ」と批判し、護憲派(左派)は「戦費調達を防ぐ平和の規定だ」と擁護してきました。
検証:GHQの陰謀説は「間違い」
当時の記録(『昭和財政史』)を確認すると、GHQ陰謀説は否定されます。
GHQの要求: 予算に対する「国会の統制強化」が主眼であり、国債禁止そのものではありませんでした。
真の制定理由: 戦時中の無制限な国債発行がインフレと戦争を招いたという、日本側(大蔵省)の「反省」から、健全財政主義が採用されたと考えられます。
意外な事実:実は「積極財政」のための条文だった
ここが見落とされがちな重要ポイントです。制定に関わった大蔵官僚・石原周夫の証言によれば、第4条には当時のスウェーデンなどで採用された財政の考え方、ダブル・バジェット(複予算)が反映されていました。
本来の意図: 「公共事業費(建設国債)」に限っては借金を認め、不況時には積極財政を行い、好況時には引き締めるという「景気調整機能」を持たせようとしていました。
つまり、財政法4条は単なる緊縮ルールではなく、不況期の積極財政を含め、本来は柔軟な財政運営を可能にするはずのものでした。
現代の問題点と結論
- 現在の最大の問題は、財政法4条そのものよりも、投資的な「建設国債」さえも否定しかねない「プライマリーバランス(PB)黒字化目標」の存在です。 これは、財政法4条が認めていた「将来に資産を残す投資」すら抑制してしまいます。
結論として: GHQ陰謀説は誤りですが、現代の経済状況に合わせるため、財政法4条の改正(赤字国債の恒久化など)は検討すべきです。しかし、それ以上にまずは閣議決定に過ぎない「PB黒字化目標」の撤廃こそが、日本経済復活への近道と言えるでしょう。
こちらはAIを活用して以下の記事を要約したものです。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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