この記事では本サイトでのMMT(現代貨幣理論)の関連記事をまとめ、それについての私の考えの全体像を簡潔に提示します。
中心的な記事が二つあります。
一つ目がMMTが語る現代のお金の仕組みを体系的に叙述した「MMTのお金の仕組み」の記事です。
こちらの記事は、現代のお金の仕組みに基づき、お金が存在しないところから出発して、私の手元に現金が登場するまでの過程を一歩一歩追跡する第一節、現代のお金の仕組みが民間の経済活動を可能にする仕組みをこれまた一歩一歩追跡する第二節、政府支出や国債発行や徴税など政府の財政活動を一歩一歩追跡しつつ、その流れのなかで金融政策の根本的な本質を明らかにする第三節、それまでの全ての考察に基づき、マネタリーベースとマネーストックの二重性についての整理を行う結論的な第四節からなっており、全体としてMMTが語っている現代のお金の仕組みを体系的に理解するための記事です。

二つ目が「信用貨幣の弁証法」という理論枠組みに基づいて、MMTの国定信用貨幣論を哲学的(歴史的-論理的)に正当化する「MMTの貨幣の哲学」の記事です。
信用貨幣は商品貨幣の子であり、商品貨幣に依存しつつも、それから独立しようとする。この商品貨幣のようなモノへの依存性という自らの「否定」に直面して、その「否定を否定」して自立に向かべく信用貨幣が歩んでいく行路が「信用貨幣の弁証法」です。MMTの国定信用貨幣論と租税貨幣論は、この「信用貨幣の弁証法」の歩みにおいて順次発展展開していく信用貨幣の第四形態、そのさしあたりの歴史的-論理的な到達点として、哲学的に正当化されることになるのです。

続いて、三つ目にMMT派にとっての貨幣の歴史を語ったものとみなせるフェリックス・マーティンの『21世紀の貨幣論』の要約記事があります。「信用貨幣の弁証法」の立場をとる私とは、いくらか立場が違うところもあるかもしれませんが、実際の歴史過程の叙述としてかなり参考になる著作だと思っています。

最後に、MMTの入門的な解説の記事が三つあります。MMTの貨幣論の全体的な解説、「税は財源ではない」という言葉に軸をおいた解説、「国債は借金ではない」という言葉に軸をおいた解説です。MMTにこれから入門する場合には、こちらの記事から入るのがおすすめです。




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